片手で持てる防音室Voiceaseを検証する

片手で持てる防音室ことVoicease(ボイシーズ)を購入したのでレビューします。

著者: スナイパー
連絡先: sniper-voice@protonmail.com

見れば一目瞭然、筒状のガジェットで、中にマイクを差して、手で持って使うようになってます。 これを使えば近所迷惑にならずに声を出せるという、この配信・動画時代には夢のような道具です。

この記事では、防音性能と音質を検証します。 わたしは歌をやらないので、用途としては声の演技を想定しています。 わたしの読み上げたセリフを録音しての検証です。セリフは、Sound Emotionさんのボイスサンプル原稿集からお借りしました。 防音性能の検証なので、だいぶ声を張り上げています。

防音性能

まずは、防音性能です。 わたしの持っているデシベル騒音計のA特性モードで測定しました。 参考に、録音時に近くにiPhoneを置いて、iPhoneのマイクで音を録ってみました。 聴こえかたの違いをイメージできると思います。

使用前は、95.5dB。

Voicease使用前は95dBくらい

写真1 Voicease使用前は95dBくらい

使用後は、76.8dB。

Voicease使用前は95dBくらい

写真2 Voicease使用後は76dBくらい

20dBくらい低減してくれています。90dBがピアノとかヴォーカル、70dBはテレビの音くらいなので、 だいぶ実用的な防音性能であることがわかります。

音質

次に音質を比較します。マイクはSM58を使用しました。

また、公式Youtubeで、Voicease使用時の整音方法が解説されているため、その方法で整音するために、EQをこのような感じでかけました。

EQのかけかた

写真3 EQはVoicease公式をやりかたをそのまま真似した

Voicease未使用での音
Voicease使用で未整音の音
Voicease使用で整音済みの音

EQをかけると多少変化がありますが、やはりどうしても曇りは残ってしまいます。 音源のスペクトルもを参考までに置いておいます。

また、Voicease使用時の特徴として、音が外に出ずそのまま入ってくるため、だいぶ音量が大きくなります。

まとめ

防音性能自体はいいのですが、演技に使うのは音質的にきびしいのかなという印象を受けました。 また、仮にEQで音質が改善するとしても、DTMツールの知識がないと厳しいので、万人向けではない気がします。

声劇やオーディオドラマ制作には厳しいと思いますが、公式サイトにもあるような、カラオケの練習などにはいいかもしれません。

夢のあるコンセプトであることは間違いないので、今後のさらなる改良を期待します。